async/awaitの基本
JavaScriptのasync
とawait
は、非同期処理をより直感的に書くための構文です。これらを使用すると、非同期処理をあたかも同期処理のように書くことができます。
async関数
async
キーワードは関数の前に置きます。これにより、その関数は非同期関数となり、必ずPromiseを返します。
async function myFunction() {
return "Hello World";
}
await演算子
await
演算子は、Promiseの解決を待ちます。つまり、Promiseが完了するまで関数の実行を一時停止し、Promiseが解決したらその値を返します。await
はasync
関数内でのみ使用できます。
async function myFunction() {
const promise = new Promise((resolve, reject) => {
setTimeout(() => resolve("Hello World"), 1000);
});
const result = await promise; // Promiseの解決を待つ
console.log(result); // "Hello World"
}
これらの基本的な概念を理解した上で、次のセクションではmap
関数とasync/await
の組み合わせについて見ていきましょう。
map関数とasync/awaitの組み合わせ
JavaScriptのArray.prototype.map()
は、配列のすべての要素に対して関数を呼び出し、その結果からなる新しい配列を生成します。この関数は同期的に動作しますが、非同期関数をマッピング関数として使用することも可能です。ただし、その場合、特別な注意が必要です。
非同期関数をmapで使用する
非同期関数をmap()
で使用すると、その結果はPromiseの配列になります。これは、map()
が各要素に対して非同期関数を呼び出し、そのPromiseを新しい配列に追加するからです。
let promises = [1, 2, 3].map(async (num) => {
return num * 2;
});
console.log(promises); // [Promise, Promise, Promise]
Promiseの配列を処理する
Promiseの配列を処理するためには、Promise.all()
を使用します。これは、すべてのPromiseが解決されるのを待ち、その結果の配列を返します。
let promises = [1, 2, 3].map(async (num) => {
return num * 2;
});
Promise.all(promises).then((results) => {
console.log(results); // [2, 4, 6]
});
このように、map()
とasync/await
を組み合わせて使用することで、配列の各要素に対して非同期処理を行い、その結果をまとめて取得することができます。次のセクションでは、具体的な使用例を見ていきましょう。
具体的な使用例
以下に、map()
とasync/await
を組み合わせた具体的な使用例を示します。この例では、非同期関数fetchData()
を使用して、配列の各要素に対して非同期処理を行い、その結果をまとめて取得します。
// 非同期関数の定義
async function fetchData(num) {
return new Promise((resolve) => {
setTimeout(() => resolve(num * 2), 1000);
});
}
// mapとasync/awaitの組み合わせ
async function processArray(array) {
const promises = array.map(fetchData);
const results = await Promise.all(promises);
console.log(results); // [2, 4, 6]
}
processArray([1, 2, 3]);
このコードでは、fetchData()
関数が各要素に対して非同期処理を行い、その結果をPromise.all()
でまとめて取得しています。このように、map()
とasync/await
を組み合わせることで、配列の各要素に対する非同期処理の結果を効率的に取得することができます。
次のセクションでは、この組み合わせを使用する際の注意点とトラブルシューティングについて見ていきましょう。
注意点とトラブルシューティング
map()
とasync/await
を組み合わせて使用する際には、いくつかの注意点とトラブルシューティングの方法があります。
注意点
map()
関数は同期的に動作します。つまり、非同期関数をマッピング関数として使用した場合でも、map()
自体はすぐに完了します。その結果、Promiseの配列がすぐに返され、非同期処理が完了する前に次の処理が進行します。map()
内でawait
を使用しても、全体の処理がブロックされるわけではありません。各非同期処理は独立して進行し、それぞれが完了するとPromiseが解決されます。
トラブルシューティング
- Promiseの配列を直接操作すると、予期しない結果を得ることがあります。Promiseの配列を処理する際には、
Promise.all()
を使用することをお勧めします。 - 非同期処理が失敗した場合(つまり、Promiseが拒否された場合)、
Promise.all()
はすぐにエラーをスローします。これを防ぐには、各Promiseにcatch()
を追加してエラーを処理するか、Promise.allSettled()
を使用します。
以上が、map()
とasync/await
を組み合わせて使用する際の注意点とトラブルシューティングの方法です。これらを理解しておけば、非同期処理をより効率的に行うことができます。この記事が、JavaScriptの非同期処理についての理解を深める一助となれば幸いです。